ヴァイオリンのヴィブラートの種類
公開日:
:
ヴァイオリンの小話
ヴァイオリンのヴィブラートは、大まかに2種類あります。「腕からのヴィブラート」と「手首からのヴィブラート」です。
この他「肘からのヴィブラート」「指からのヴィブラート」に分類されるヴィブラートもあります。
このような分類は実際には音高を変化させるために動いている関節に注目した分類で、それぞれのヴィブラートは動いている筋肉が違います。
ヴィブラートで動く部分が大きくなればなるほど音高の変化も大きくなり、ヴィブラートが大きくかかった状態になります。
反対に、運動が小さくなればなるほど、ヴィブラートの動きを速くしやすくなります。
振り幅の大きなヴィブラートは、響きを増やして音量を上げる効果が大きいです。
そのために、G線(特にハイポジション)では、腕のヴィブラートが効果を発揮します。
振り幅の小さなヴィブラートは、音高のゆらぎが小さく聞こえるために、旋律を美しく安定した状態で聞かせることができます。
また、特定の音や小さなフレーズをピンポイントに響かせるために使うことも多いです。
音の立ち上がりやアーティキュレーションの最初に、振り幅の小さな速いヴィブラートをかけることで、音楽を進ませる力を自然に得ることもできます。
実際には、多くのヴァイオリニストが腕全体のヴィブラートを使っています。
これは、大きなコンサートホールで充分に楽器を響かせるためには、動きの大きなヴィブラートがふさわしいからです。
指が充分鍛えられていれば、腕のヴィブラートは速さや大きさをかなりの幅で自由に変化させることができることも、演奏家の多くが腕からのヴィブラートを使っている理由です。
演奏効果を考えて、その場に合ったヴィブラートを選ぶことが理想的です♫
ヴィブラートも順調に習得中のYさん♫
関連記事
-
-
ヴァイオリンの教則本
当教室でも取り組んでいる生徒さんが少なくない「カイザー」「マザス」「クロイツェル」などの教則本。こ
-
-
ヴァイオリンの「運動」
ヴァイオリンの演奏においての「運動」は、ある特定の筋肉の組み合わせが働く事を指します。 この
-
-
ヴァイオリン練習を消音で
お家では楽器だけでなく「なるべく静かに」と心がけているMさんが考えついたヴァイオリン消音のアイディ
-
-
楽器なしのヴァイオリン基礎練習
長期出張(数日〜数週間)のあるお仕事のMさん。 荷物の量も(周りの人のことも)考えて、ヴァイオリ
-
-
ヴァイオリンのチューナーに 1
ヴァイオリンの音程を確かめるのに便利なチューナー。 「譜面台の上に置くと、落としたりする事もあるの
-
-
バッハ「無伴奏ヴァイオリン・ソナタ」
ヨハン・セバスチャン・バッハ (1685~1750) 作曲「無伴奏ヴァイオリンのためのソナタ&パル
-
-
(ヴァイオリンを含めて楽器の)ピッチ
ピッチ(ヘルツ)の世界標準ができたのは、第二次世界大戦後のことです。1955年、国際標準化機構(IS
- PREV
- ヴァイオリンのヴィブラートの効果
- NEXT
- ヴァイオリンのセヴシック