ヴァイオリン教本の短音階

公開日: : 最終更新日:2017/07/17 未分類

ある音楽を聞いていて、その音楽が「楽しい」とか「悲しい」「明るい」「暗い」と感じることがあるかと思います。

この表情の元になっているのが、どんな音階…音の階段…を使っているかがポイントになっています。

音階とは「ある音から、1オクターブ、8つ上の同じ名前の音へと並べた階段。この音の連なり」のことです。

 

音階には「長音階」と「短音階」があります。

「長音階」の「長」には、英語の「major」が示すように「明るい」「楽しい」といった意味があります。

「短音階」の「短」には、英語の「minor」が示すように「暗い」「悲しい」といった意味があります。この音階には、3種類の異なった様相…3種類の音形があります。

原型が「自然短音階」。西洋人は、何故か17世紀頃までに、音階の終わり、すなわちメロディーの終わりは、どうしても半音でなければならないという感覚がすり込まれていたそうです。それで、仕方なく「自然短音階」の第7音を半音上げて終わった感じが出るようにしたのでした。

この音階が「和声的短音階」です。

下の「カール・フレッシュ音階教本」の重音は、「和声的短音階」で書かれています。

 

ところが、この「和声的短音階」は、楽器で演奏するときは良いのですが、歌う時は「第6音と第7音の音の開きが大きく(増2度…ヴァイオリンの左指の間に指2本分入る音程)歌いにくい」という事がありました。そこで、第6音も半音上げてみてはどうかという事になり作られたのが「旋律的短音階」です。

 

「旋律的短音階」は、下降形は「自然短音階」と同じになります。「HAUCHARD」のサードポジション教本には、「和声的短音階」と「旋律的短音階」の両方が順に出てきているものも(下の写真、2段目)あります。

短音階には3種類あるので、作曲家はこれを自由に使って、長音階よりも陰影に富んだ音楽を作り出すことが出来るようです。

先日レッスンだったYちゃんは、この短音階の種類の話を熱心に聞いていました♫

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