(ヴァイオリンを含めて楽器の)ピッチ
公開日:
:
ヴァイオリンの小話
ピッチ(ヘルツ)の世界標準ができたのは、第二次世界大戦後のことです。1955年、国際標準化機構(ISO)の勧告により、a=440が世界標準になりました。しかし、標準化になった後も、1960、70年代になるとオーケストラのピッチhs441、442、443ヘルツへよ上がっていきました。
その理由は明確で、少しでも弦のテンションが高い方が(弦を強く張るので)音が際立って聴こえるからです。少しでも高くすると、弦楽器の音に張りが出ると世界中のオーケストラが考えたその末、いつのまにか442ヘルツという常識を生み出したようです。
バロック時代には標準的なピッチは決まっていなかったようで、国や地域によって、基準になる音の高さはずいぶん違ったそうです。一般的に、バロック時代のピッチは今よりも半音ほど低かったと言われています(例外も多いそうです)。19世紀になり、演奏の場がサロンからコンサートホールに移るにつれて音の張りが強い弦楽器が好まれるようになって、ピッチが上がっていきました。
関連記事
-
ヴァイオリンの肩当て
少しでも快適にヴァイオリンを弾きたいと工夫しているYさんが、ネットで見つけた肩当ては、高さ(厚み)が
-
バッハのヴァイオリン 2
二十世紀の後半までは、バッハの楽譜でも有名なヴァイオリニストや教師が校訂(スラーや強弱を独自の解釈
-
演奏する作品を知ること
「今取り組んでいる」または「これから弾いてみようと思う」曲を、もっと「その曲らしく弾きたい」時は、
-
ヴァイオリンのスピーカー
ちょっと前ですが、弦楽器店で、ヴァイオリン(などの弦楽器)がスピーカーになっている珍しい機器を見せ
-
ヴァイオリンのチューナーに 2
「いつもではありませんが、携帯電話にチューナーアプリを入れて、クリップに付けて使っています。」
-
ヴァイオリンのスラー
「スラー」は「2つ以上の高さの違う音を、弓を返さずに繋げて弾く」奏法です。 スラーの中に何音も入っ
-
ヴァイオリンのポジション移動
ヴァイオリンを始めて ファーストポジションが安定してきた頃に 始める「ポジション移動」: 左手指(の
-
ヴァイオリンのチューニング
ヴァイオリンのチューニング(調弦)はA線から始めます。 A線とD線を5度の音程に合わせます。
-
楽器なしのヴァイオリン基礎練習
長期出張(数日〜数週間)のあるお仕事のMさん。 荷物の量も(周りの人のことも)考えて、ヴァイオリ
- PREV
- ホール演奏に向けて 9
- NEXT
- ホール演奏に向けて 10