有名になるヴァイオリニスト

公開日: : ヴァイオリンの小話

「パガニーニの演奏を聴いた時、私はまだ14歳だったが、すでにヴァイオリンの技術はかなり習得していたので、私には彼の並外れた才能がよく解った。

それは全く電撃的な感動だった。彼がこれに至るまでに行ってきた方法について確かなことはわからなかったが、それでも私の驚きは大変なものだった。

私が感嘆の念にとらえられたのは音色の美しさや力強さと共に正確さ精密さ、そして安定性である。

彼の弓の機敏で生気に満ちた動きは驚くばかりであり、またその確かさも同様だ。

非凡な器用さによって技巧的に最も困難な部分も乗り越えてしまう!危なげな音は一つもない!絶対に間違えない!

きちんと弾くために音のボリュームが多少損なわれたり、音がまろやかでなくなったりすることはあったが、部屋の隅々まで音ははっきり届いていた。

要するに、これは私が生涯の内に聴いた最も申し分のない最高のまばゆい演奏であった。」

・・・・・・・・・「アンリ・ヴュータンの生涯 その作品と演奏」より

ヴュータンは、ベルギー派の祖と言われている「ベリオ」に師事したヴァイオリニストです。

そのヴュータンはパガニーニにも会い、すっかり傾倒し、彼のような超人的なテクニックを作品に生かすことになりました。ヴュータンの「コンチェルト第四番ニ短調」は単なる技巧性だけではなく、技巧の華麗さを音楽的なディメンション(次元)に広げてみせています。

 

名ヴァイオリニストは、大きな音で知られることはなく「美しい音」で知られると言われます。

 

ヴュータンがグァルネリ・デル・ジェスで聴かせた音は、とても美しかったに違いありません♪

関連記事

ヴァイオリン練習 14

「ヴァイオリンの練習は、だいたい午前中が多いです。」 と、Mさん。 Mさんはどの曲も丁寧

記事を読む

ヴァイオリンの松やに

先日弦楽器工房で勧められて購入した松やに「Leatherwood Bespoke 」。オーストラリ

記事を読む

ヴァイオリンの肩当て

「この肩当てが今のところ一番自分に合っていると思います。」 と、Oさん。 「この『ボン・ムジカ

記事を読む

オーケストラの弦楽器

オーケストラの楽器の配置は時代や地域によって違うことがあります。 昔は、指揮者の左手から「第

記事を読む

弾けないところを練習する

楽譜に書かれた音符に指が素早くいくかいかないかは、筋肉運動によるものです。 目で見た譜面に対して、

記事を読む

ヴァイオリンのピチカート

ヴァイオリンのピチカートは弦を指で弾いて鳴らす奏法です。ピチカートの音色がもし少し曇っていたらチェッ

記事を読む

ヴァイオリンの「フラジオレット」

ヴァイオリンの「フラジオレット」は「ハーモニクス」ともいいますが、倍音奏法のことです。このフラジオレ

記事を読む

ヴァイオリンの重音チャレンジ

ヴァイオリンは弾く人が自分で音程を作る楽器です。このテクニックを習得出来るかどうかが、ヴァイオリン上

記事を読む

本番での緊張(*≧∀≦*)

どんなプロのヴァイオリニスト(演奏家)でも、緊張しない人はいないと思います。 シベリウスとい

記事を読む

ヴァイオリンのチューナーに 3

ヴァイオリンの練習にチューナーを使う時の工夫、3番目。 携帯電話スタンドを使ってみました。

記事を読む

Message

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください

  • banner banner banner banner
PAGE TOP ↑