ヴァイオリンのボーイングテクニック

公開日: : 最終更新日:2021/04/02 ヴァイオリンの小話

ヴァイオリンのボーイング(奏法)には、いろいろな名前が付いています。

その用語の意味を意識して使い分けられるようになると、表現の幅が大きく広がります。

また、練習する場合にも、それぞれの技術を意識して学んでいく方が上達が速くなります。

ボーイングテクニックは、大きく分けると3つ…

① レガート

② かっちりした音

③ 跳ねる音

があります。

ヴァイオリンの「7つの奏法」と呼ばれるものは以下のものです。

❶ デタシェ:

 ボーイングの基礎で大変重要な奏法です。

 ひとつの音符をひとつの弓で弾き、圧力は変えず、なめらかに演奏します。

 音と音の間に休止はありません。

❷ ポルテ

 弓が弦の中に食い込む感じに強く弾きます。

 アクセントではないので、そうならないように気をつけます。

❸ スピッカート

 弓に軽い圧力を加え、一音ずつ区別して演奏します。

 引きずらない短い弓で弾きます。

❹ ソティエ

 デタシェから始め、徐々にスピードを上げていくと自然に弓が跳ねるようになる、その奏法です。

 一音一音で弓を上げ下げしません。

❺ リコシェ

 一弓の中で2つ以上の音をはずませるスタッカートのことです。

 衝撃は一度だけ与えて、弓の自然な弾力で行う奏法です。

❻ マルテレ

⑴ マルテレ

「槌(つち)で打つ」の意味です。

 音と音の間に休止を置きます。

 音の出だしにはっきりと強いアクセントが付きます。

 あらかじめ弓を弦に押し付けておくと良いです。

⑵ コーレ

 マルテレに似ていますが、空中からスタートして(弓を弦に落とす感じで)弾き始めます。

弓でスピッカートをするイメージです。

⑶ ランセ

 やや速い運弓で、始め速く、終わりに近づくにつれて遅く、と速度を緩める弾き方です。

❼ スタッカート

 一音一音の間が空いた音。

 基本的には「短い音」の表現を総じています。

ヴァイオリンの奏法においては、スピッカートとは区別した奏法とされています。

 ヴァイオリンを始めて9か月目に入ったところのYさん(少し前のことです♪)

左指のテクニックはセヴシックで順調に上達しています。

ボーイングも「カイザー 36のエチュード」1番でデタシェやマルテレが終わり、指弓で三連符を始めました。

そしてさらに半年たった今日は「セヴシックOp.2の11番」の指弓ボーイング練習に取り組んでいます。

弓を持つ手首指の関節を、適度に柔らかくコントロールして弾いていらっしゃいます♪

関連記事

ヴァイオリンの「運動」

ヴァイオリンの演奏においての「運動」は、ある特定の筋肉の組み合わせが働く事を指します。 この

記事を読む

ヴァイオリン曲を仕上げていくポイント

取り組んでいる曲の練習で大切なのは、難しいところを 取り出して、そこだけさらう事です。 楽譜を

記事を読む

ヴァイオリンの弓の毛

ヴァイオリンの弓の毛は「モンゴル産」「カナダ産」「日本産」「イタリア産」...などいろいろあります

記事を読む

「ヴァイオリン」の名称は

「ヴァイオリン音楽」が最初に発展したのはイタリアです。 イタリア語でこの楽器のことを「ヴィオ

記事を読む

「ご自身のヴァイオリン製作」その後 1

「ヴァイオリン製作の教室に入った当初は、仕事が忙しくて自宅の作業時間が取れませんでした。 作り始め

記事を読む

ヴァイオリンの弓が弾むのは

「弾いている途中で弓がはずんでしまうのは何故なんですか?」 と言う生徒さん、珍しくありません

記事を読む

ヴァイオリンの左指

上手な人のヴァイオリン演奏を聴いていて、どうしてあのように上手く弾けるのだろうか、とある種の不思議

記事を読む

ヴァイオリン音階練習

音階練習をすると、着実に上手になります。 ただ漫然と練習すると効果を期待出来なくなってしまい

記事を読む

ヴァイオリンのアゴ当て

「ヴァイオリンの響きを止めずに、通常二本の金具を一本にしたアゴ当てを購入してみました。」 と

記事を読む

ヴァイオリンとは?

ヴァイオリンは「道具」ですが、「道具以上の存在」にもなり得ます。   以下は、フランスの天才ヴァイ

記事を読む

Message

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください

  • banner banner banner banner
PAGE TOP ↑