ヴァイオリンのニス

公開日: : ヴァイオリンの小話

「30年にわたってヴァイオリンの名器を収集してきたタリシオ死去のニュースをいち早く聞きつけ、遺族から100個を超えるストラディバリウス、グァルネリ・デル・ジェス、ベルゴンツィなどを含む名器の宝の山をまんまと手にしたヴィヨームのエピソード(ファルガ『ヴァイオリンの名器』)・・・いくらか創作が含まれているかもしれませんが・・・」

そのヴィヨームは、ヴァイオリン作りの名工で、本物のストラディバリウスとされているヴァイオリンの多くが彼の作品でもあるとも言われるくらいの人物だそうです。

しかし、本物と間違えられるほどの作品を作り出せる腕前というのは、やはり大したものと言わなくてはならないでしょう。

誰が作ったかということよりも、ひたすら美しい音を基準として楽器を選択したいのでしたら、ストラディバリウスの次世代の名器として、ヴィヨームあたりの作品も良いかもしれません。

さてヴィヨームのニスの話ですが、名工としても名高いヴィヨーム工房は来訪者に開放されており、ニスを塗っている彼の傍らに置かれているニスはよく売れたそうです。

ところが、客がいなくなった後、彼は別室の工房に移り、今まで自作のヴァイオリンに塗っていたニスを剥がして、秘蔵の自分のニスを塗ったということです。

つまり、客に売ったニスは普及品で、ヴィヨームは「自分のニス」については、絶対にその製法を人に教えなかったということです。

趣味のひとつで ヴァイオリンを製作中のOさん。

もうすぐで「ニス塗り」の工程だそうです。

「ニスには“オイルニス”と“アルコールニス”がありますが、私は“オイルニス”にしようと思っています。」

と、Oさん。

「アルコールは塗るそばからドンドン乾燥して固まってしまい難しいので、時間はかかりますがオイルニスにした方が楽だと判断しました。少しでも早く乾くように“紫外線ライト”を購入する予定です。」

関連記事

ヴァイオリン演奏を音楽的に

音大時代の友人ピアニストの一言。 『自分が頑張って弾く、のではなく音楽に語らせなさい、とはよ

記事を読む

ヴァイオリンの弓使い

「今回の曲では、なるべく弓の幅を多く使うのが目標です。」 と、Mさん。 私達は

記事を読む

ヴァイオリンのフィンガリング

フィンガリングについては、まず始めにどんな可能性があるかを考えます。フィンガリングは最大10個くら

記事を読む

やっぱりヴァイオリンは音階

もうずいぶん前に「HAUCHARD(初級)」が終わったHさんですが、今でもレッスンの始めに49番の

記事を読む

ヴァイオリンの基礎練習 2

ヴァイオリンの練習の中でも「筋肉の動き」を見るために、全身が映る鏡を使います。 ビデオを使うのも良

記事を読む

ヴァイオリンのドラマ:G線上のあなたと私

今日レッスンのCさん。 「クリスマスコンサート」に向けての準備もしていらっしゃいます。

記事を読む

バッハのヴァイオリン 1

「バロックヴァイオリン」と「モダンヴァイオリン」との本質的な違いは「語る楽器」と「歌う楽器」の違い

記事を読む

オーケストラの弦楽器

オーケストラの楽器の配置は時代や地域によって違うことがあります。 昔は、指揮者の左手から「第

記事を読む

ヴァイオリンで強弱記号を

音の強弱をヴァイオリンで表現する… 弓の「スピード」」「圧力:腕の重さをかける加減」「弓の毛傾

記事を読む

ヴァイオリンでクラシック音楽

クラシック音楽とポピュラー音楽との大きな違いは、「作曲家が第一」であるということです。指揮者がいる場

記事を読む

Message

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

This site uses Akismet to reduce spam. Learn how your comment data is processed.

  • banner banner banner banner
PAGE TOP ↑