ヴァイオリンのニス

公開日: : ヴァイオリンの小話

ご自身でヴァイオリンを製作中のOさん。

もう少しで「ニス塗り」の工程に移るそうです。

楽器が「銘器になるかどうかの決め手はニス」「美音の秘密はニス」という話はよく言われています。

ヴァイオリンの製作過程では、木を磨いて、ニスを塗って、また磨く、そしてまた塗る。この作業を最低二十数回、または数十回繰り返すそうです。それによって厚塗りになることはないそうです。

「ニス」とは、樹脂、染料、溶剤の総称です。

溶剤は「アルコールニス」と「オイルニス」などに分けられます。近現代になると「ラッカー」や「ウレタン系」のニスも出てきています。

あの有名なストラリヴァリがアルコール系のニスを使ったかオイル系ニスを使ったかも謎…蒸発してしまっているので分からないそうです。

ニスの原産地なども正確なことは分かっていないのですが、広くヨーロッパに流通し、ことに北イタリアはロンバルディア地方の古都クレモナやブレシャの木工芸術品、家具調度品を彩ったニスは「トルコ原産のニス」です。イタリアの家具調度品を彩ったニスが、アマティ家のヴァイオリンに使われたという説が有力だそうです。

木を美しく魅せるためのニスは「木そのものを保護する」役割もしています。

そして、ニスは「音の振動を際立たせる」「音の波動を伝えやすくするための触媒」の役割もしています。

Oさんは、趣味で製作中のヴァイオリンの「ニス塗り」工程が、間近だそうです。

関連記事

ヴァイオリンの読譜

楽譜を読む能力を『読譜力』と呼びます。「読譜力」には様々レベルがあります。 その違いは大きく

記事を読む

ヴァイオリン奏法

私(講師)の恩師の師でもある「イヴァン・アレクサンドル・ガラミアン(1903〜1981)」。

記事を読む

ヴァイオリン練習便利グッズ

「最近購入したものなのですが、使いやすく便利です。」 と、Kさん。 譜面台に直接置くと、落下して

記事を読む

ヴァイオリンの速い重音

「ヴィエニアフスキ作曲 2つの性格の違うオベルタス」には、速い重音が出てきます。 ヴァイオリ

記事を読む

ヴァイオリンのヴィブラートの効果

ファーストポジションの音程が安定して、サードポジションに馴染んできた頃に始めるヴィブラート。

記事を読む

弾けないところを練習する

楽譜に書かれた音符に指が素早くいくかいかないかは、筋肉運動によるものです。 目で見た譜面に対して、

記事を読む

「ヴァイオリン」の名称は

「ヴァイオリン音楽」が最初に発展したのはイタリアです。 イタリア語でこの楽器のことを「ヴィオ

記事を読む

ヴァイオリンを弾く前に

楽譜を読む…ソルフェージュ(何の音がどんなリズムで書かれているかということ)を勉強することも大切で

記事を読む

ヴァイオリンの消音器

「やっぱり家でも練習したいと思っているのですが、ヴァイオリンの消音器はどんな物があって、効果の違いは

記事を読む

やっぱりヴァイオリンは音階

もうずいぶん前に「HAUCHARD(初級)」が終わったHさんですが、今でもレッスンの始めに49番の

記事を読む

Message

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください

  • banner banner banner banner
PAGE TOP ↑