ヴァイオリンとは?
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ヴァイオリンの小話
ヴァイオリンは「道具」ですが、「道具以上の存在」にもなり得ます。
以下は、フランスの天才ヴァイオリニスト「ジャック・ティボー」とその父親の会話です。
「ジャック、一体、ヴァイオリンとは何かね?」
いろいろな方向にヴァイオリンをひっくり返しながら、お父さんが訊ね(たずね)ました。
「ええ、ヴァイオリンとは『函』です。」
「そんな返事では落第だね。何か他の言い表し方を見つけ出さなければ、決してヴァイオリニストにはなれんぞ!」
「他の言い表し方ですって?それなら、ヴァイオリンとは…ええと『歌う四つの弦』です。」
「うむ、なるほど。それには違いないが、何か、もっとほかにありそうなもんだね。」
私(ティボー)はもう とっておきの切り札を出すべき頃合いだと感じたので、
「それは『心』です!」
と、言ってのけました。
日頃、兄の口ずさむ『提琴(ていきん..ヴァイオリン)』は悩める心の如く(ごとく)顫う(ふるえる)」というボードレールの形容が気に入り、それを暗記していたからです。
「悪くない!」
と、お父さんは言いました。
「しかし、ただ『心』だけでは足らないね。その上、『人間』でもあるのだよ。つまり、ヴァイオリンというものは、その『音』を聴くと共に、『魂』も摑まな(つかまな)ければいけないのだ!」
: ジャック・ティボー「ヴァイオリンは語る」より
ヴァイオリンは「心」…
ヴァイオリンという楽器の特質としての演奏者の個性に直結した演奏、音楽的内容を感じるヴァイオリニストは「ハイフェッツ」と「クライスラー」を思い浮かべる方が多いかと思います。
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