ヴァイオリンとは?

公開日: : ヴァイオリンの小話

ヴァイオリンは「道具」ですが、「道具以上の存在」にもなり得ます。

 

以下は、フランスの天才ヴァイオリニスト「ジャック・ティボー」とその父親の会話です。

「ジャック、一体、ヴァイオリンとは何かね?」

いろいろな方向にヴァイオリンをひっくり返しながら、お父さんが訊ね(たずね)ました。

「ええ、ヴァイオリンとは『函』です。」

「そんな返事では落第だね。何か他の言い表し方を見つけ出さなければ、決してヴァイオリニストにはなれんぞ!」

「他の言い表し方ですって?それなら、ヴァイオリンとは…ええと『歌う四つの弦』です。」

「うむ、なるほど。それには違いないが、何か、もっとほかにありそうなもんだね。」

私(ティボー)はもう とっておきの切り札を出すべき頃合いだと感じたので、

「それは『心』です!」

と、言ってのけました。

日頃、兄の口ずさむ『提琴(ていきん..ヴァイオリン)』は悩める心の如く(ごとく)顫う(ふるえる)」というボードレールの形容が気に入り、それを暗記していたからです。

「悪くない!」

と、お父さんは言いました。

「しかし、ただ『心』だけでは足らないね。その上、『人間』でもあるのだよ。つまり、ヴァイオリンというものは、その『音』を聴くと共に、『魂』も摑まな(つかまな)ければいけないのだ!」

: ジャック・ティボー「ヴァイオリンは語る」より

 

ヴァイオリンは「心」…

ヴァイオリンという楽器の特質としての演奏者の個性に直結した演奏、音楽的内容を感じるヴァイオリニストは「ハイフェッツ」と「クライスラー」を思い浮かべる方が多いかと思います。

関連記事

ヴァイオリンの運弓は

弓を持つ時、当教室では 「手指の末関節に弓を乗せて親指をフワーッと丸みを帯びた感じにして、指先

記事を読む

「ご自身のヴァイオリン製作」その後 1

「ヴァイオリン製作の教室に入った当初は、仕事が忙しくて自宅の作業時間が取れませんでした。 作り始め

記事を読む

ヴァイオリンのスピーカー

ちょっと前ですが、弦楽器店で、ヴァイオリン(などの弦楽器)がスピーカーになっている珍しい機器を見せ

記事を読む

クラシック音楽

「外出自粛で、楽器を弾く楽しみがあって良かったと改めて感じています。」 という方が少なくない

記事を読む

ヴァイオリン練習 1

「朝ごはんを食べて、落ち着いた後に弾いています。 夕食の前に練習することもあります。」 と、Yさん

記事を読む

ヴァイオリンのチューナーに 2

「いつもではありませんが、携帯電話にチューナーアプリを入れて、クリップに付けて使っています。」

記事を読む

ヴァイオリンの「運動」

ヴァイオリンの演奏においての「運動」は、ある特定の筋肉の組み合わせが働く事を指します。 この

記事を読む

ヴァイオリンの速い重音

「ヴィエニアフスキ作曲 2つの性格の違うオベルタス」には、速い重音が出てきます。 ヴァイオリ

記事を読む

ヴァイオリンのスラー

「スラー」は「2つ以上の高さの違う音を、弓を返さずに繋げて弾く」奏法です。 スラーの中に何音も入っ

記事を読む

ヴァイオリン練習 3

「ヴァイオリンの練習は、夜7時から9時までの間にする事が多いです。 たいがい7時30分から8時30

記事を読む

Message

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

  • banner banner banner banner
PAGE TOP ↑