大ヴァイオリニストのスピーチ

公開日: : 未分類

IMG_2065

昨日、恩師のFB投稿の「メニューイン卿、ありがとう」という記事はとても素晴らしいものでした。

(メニューインは、ヴァイオリニストとしてだけでなく、指揮者、教育者、人道主義者としても活躍した20世紀の偉人です。)

 

人類とは、後世の人々に残す遺産を、多様性に満ちたものにするべく努力するものです。すなわち次の世代に生存種の多様性と文化の多様性を受け継いでるもらうためです。また人類とは、集団で生の存続をはかる領域においては、対話と協力と良い意味での競争を絶え間なく実行しています。それゆえ人類は相互尊重と相互扶助、あるいは相手に対する好奇心という雰囲気の中で、常に均衡が成立するためには限界を知ることが必要になってきます。われわれの理想や夢の現界ではありません。質的な限界および理想を実現するために使う手段の限界を知ることが大事なのです。均衡は狂信のアンチテーゼであります。

唯一にして最大の自由とは、他者を助ける自由です。最大平等、それは生きとし、生けるものはすべての尊厳です。

最大の博愛、異邦人に対しても心と精神を繋ぐことです。それが例え敵であったとしても実践すべきでしょう。

最大の義務、それは自分自信の身体、五感、精神、情緒、環境を大切にして、それらが肉体的かつ精神的汚染に抵抗できるようにすることです。

悪しき習慣は、精神や肉体の麻痺を起こす原因となり、暴力という恐ろしい単一文化を生み出します。暴力は至るところでわれわれを脅かし、狂信という名前となって現れます。最も立派な活動とは、創造的な態度を持ちつつ芸術と職人芸のあらゆる形態に、われわれを結びつけるような活動です。知覚できるすべてのものがそうです。友情、音楽、歌、踊り、パントマイム、もちろん美味しい料理もそのひとつでしょう。

家庭や社会や自然界のなかの個人としての生活に属するものすべてにもあてはまります。直感的かつ包括的な着想、寛大で包容力あふれる心情の発露もこの活動に含まれます。

誰もがそのうちのどれか一つは持っているはずです。それが自分を守ってくれるのです。

最も美しい人生とは、いろいろな声を調節し、あらゆるものに声をかけ、声を持たない人々全員に声を与えるような人生だと思います。それがいわば、現在の私の最も得意とするところでもあります。

ユーディ・メニューイン

1996年3月16日 エリゼ宮(仏大統領官席)で行われた80歳の誕生日記念式典でのスピーチ抜粋

 

私自身はメニューインに会ったことはありません。でも、演奏仲間の大先輩は「メニューイン自ら来日して行ったオーディションに合格し、メニューインのスイスの湖畔にあるメニューインの別荘の合宿に参加したのよ。」と(その時を思い出して懐かしそうに)言っていました。

関連記事

お友達を呼んでミニコンサート

「『ヴァイオリンを習って弾いていらっしゃるのなら、聴かせて!』と  お友達に言われたので、自宅でミニ

記事を読む

十八世紀のオーケストラ奏者は

ヴァイオリンがある程度弾けるようになったら参加してみたい(かも?)オーケストラ。  

記事を読む

高度テクニックのヴァイオリン曲挑戦の後で

先週末の「クリスマスコンサート」は、当教室のレッスン室ではありましたが、それでも多くの方々の前でヴァ

記事を読む

ヴァイオリンコンサート前のピアノ調律

昨日は、年に一度のピアノ調律をしてもらいました。 その時聞く、調律士さんのお話は、いつもとても勉強に

記事を読む

明けましておめでとうございます

今年も皆様にとってより良い年でありますよう心からお祈り申し上げます。 (昨年度は生徒さん達の数々の

記事を読む

サイレントヴァイオリン愛用

「夜7時から8時まで練習出来る日は、本物のヴァイオリンで練習することにしています。でもそういう日は、

記事を読む

明けましておめでとうございます

昨年中は大変お世話になりありがとうございました。 本年もどうぞよろしくお願い申し上げます♪

記事を読む

サマーコンサートに向けて 1

6月に入り「サマーコンサート」(7月23日予定)が来月に迫ってきました。 いつもコンサートに「

記事を読む

オーケストラ本番

無事終了しました! 何しろ80分を超える曲のため、リハーサルで張り切り過ぎると本番でヘロヘロに

記事を読む

毎日練習しています

「一応、毎日練習しています。」 とニコニコしながらレッスン室に入っていらしたAさん。 A

記事を読む

Message

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

  • banner banner banner banner
PAGE TOP ↑